毎日漫画を買っています。

漫画の産みの苦しみは快楽なのか

兄は漫画家です。いや、自称漫画家なのかもしれませんが。私たち家族は彼のペンネームも知りませんしどんな雑誌で活動しているのかも知りません。しかしよく担当編集の方から電話が入っているようですし、お中元やお歳暮のシーズンには有名な某出版会社から高級ハムやら高級ゼリーの詰め合わせが送られてきて私もお裾分けをもらうので、何かしらの漫画を描いて生計を立てているんでしょう。けれど、決して創作活動は楽しいだけのようには見えません。

私は土日祝日が休みのごくごく一般的な社会人なので、金曜日はご機嫌になり日曜日の夕方は明日からの仕事の山を思い出して少しへこんでみたりします。一方兄は曜日に関係なく終日ニコニコと穏やかで感情に波が無く、菩薩のような人です。しかし、締切日が近くなってくるとその状況は一変します。ご飯を持ったまま天を仰いで数分固まってみたり、携帯電話の着信音に飛び上がって座布団から転げ落ちたり、火の付いたタバコを指に挟んだまま虚空を見つめて30分近くも低く唸り声を上げてみたり・・一歩でも外に出たら挙動不審で即職務質問&連行されかねない様相になります。締切日が近いのか過ぎているのか、まるで宿題をしてこなかった夏休み明けに先生から逃げ回る子供の様に編集者の電話から逃げ回っている兄を見ると、そんなに漫画のアイディアを絞り出すのは大変なのかと、可哀想になったりします。産みの苦しみは女性の出産だけでなくこんな職業にも存在するんだなと変に感心したりもします。兄曰く「アイディアがまとまって頭に下りてくるまで待つことは苦しいし辛い、でもそれを絵に起こすのが快楽なんだ。辞められないなあ」ですって。じゃあ、その下りてくるかどうか分からない傑作を待つ編集さんはもっと苦しいんじゃないのか、と心配になる今日この頃です。

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